2008年09月12日

平成20年9月10日 渡辺まさし一般質問 全文

 平成20年 第3回定例会にあたり、 文京区議会民主クラブを代表し区長並びに教育長に一般質問をいたします。

○質問項目を申し上げます。

1.19年度決算と財政運営について。

2.公的年金からの住民税特別徴収制度導入について。

3.都市計画道路環状3号線について。

4.障害者の就労支援について。

5.新潟県魚沼市との協働および湯之谷やまびこ荘について。

6.特別支援教育の実施状況について。

 

 以上、6項目です。 区長・教育長におかれましては明快かつ前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。

 

1.19年度決算と財政運営について。

 まずは大きなテーマとして19年度決算と財政運営について伺います。 平成19年度決算の概要についてはこのたびその内容が明らかになりましたが、 財政状況を示す財務指標に注目してみると過去10年間を通じて数値が着実に改善していることが見て取れます。

 昨今地方自治体を取り巻く財政環境は一層厳しくなったと言われています。 自治体の財政破綻を未然に防ぐために2007年には地方公共団体財政健全化法も施行され、 自治体には厳しい財政規律の維持が求められるようになりました。 現在各自治体もおいても財政再建に懸命に取り組んでいるそんな最中ではありますが、 我が文京区においては既に10年前よりスリム化と健全化という目標を掲げ、 このことに積極的に取り組んできたことを忘れてはならないと思っています。ちなみに平成12年 (今から8年前)煙山前区長が就任当時の決算における主な指標と現在を比べてみると、 経常収支比率は当時91.3%だったものがこの19年度には72.8%へと大きく改善。 公債費比率は7.7%から6.7%に、 また実質収支比率も当時5.5%から19年度4.9%へとほぼ適正水準へと改善されました。 当時を振り返ってみると、15% 13% と厳しいマイナスシーリングを選択せざるを得ない年も続きました。その後NPM予算編成が導入、 また均衡財政の実現に向かっては一部議会からも厳しい指摘はありましたが、 常に無駄遣いを排除する一方で学校の大規模改修などの将来の需要にも備えていくという一貫した姿勢が結実して、 10年という歳月を経た今、この19年度決算に成果として表れたのだと確信をしています。

結果として地方債残高は平成12年度当時434億円の残高が19年度には240億円に半減しました。 また景気の浮揚という追い風もあり基金現在高も当時186億円から19年度では404億円へという上積みが実現しています。 このことを「貯め込みだ」との意見もあるようですが、 一方ではこの間厳しいながらも学校改修などの大規模事業も計画的に進められました。 あわせて目白台運動公園の取得という大きな英断も下されたことも考えるならば、これまでの財政運営は決して「貯め込み」 ではなく、不断の努力と工夫の積み重ねの成果なのだと、私自身この10年間区政を現場で見てきた一人として、 これまでの財政運営を高く評価したいと思っています。(1)区長あなたも当時議会人としてその現場に居合わせ、 また今は行政の長の立場としてこの10年の財政運営をどう振り返っておられるか? またどう評価されているかを是非ともお聞かせ下さい。

 財政の健全化・スリム化を目標に掲げたこの10年はいわば 「困難に立向かっていく区政・英知を振り絞る区政」であったと思われます。これからの10年は果たしてどうでしょうか? 文京区政においては長年に亘る努力の甲斐もあって、風向きは「向かい風」からやや「追い風」に転じてきたとも思われます。 風をしっかり読んでいきながら、これからの10年は 「守りから攻撃に堂々と打って出る区政へ」とういう方向性を持つことも必要ではないでしょうか?

(2)区長あなたがマニフェストに掲げる教育や福祉の需要は一層高まりつつあります。

また今後自治体間競争を勝ち抜いていくという点では、個性ある先駆的な施策の充実も大きなテーマとなることでしょう。 これまで当たり前とされてきた自治体間横並びの意識から脱却をし、「成澤カラー」がしっかり打ち出されることを区民は望んでいます。 これからもスリム化を図る、ぜい肉を落としていくという観点は勿論大切ではありますが、と同時にしっかり筋肉をつけること・ 筋力をつけていくことにも是非力点を置き、「スリムで且つたくましい区政へ」と大きなその第一歩を踏出して頂きたいと念願しやみません。 区長の今後の財政運営・区政運営に対する意気込みのほどを改めて伺いたいと思います。

 

以下、そのような思いに基づき現在区政が直面する具体的な課題について区長にひとつひとつ伺います。

 

2.公的年金における住民税の特別徴収の導入について

まずはじめに今定例会に議案としても提案されている「個人住民税における公的年金からの特別徴収」 いわゆる住民税の年金天引き制度導入について伺います。

これら住民税の年金天引きを盛り込んだ改正地方税法は本年430日、 ガソリン税の暫定税率を復活させる改正租税特別措置法とともに、衆議院での三分の二以上の再可決で成立をしました。

年金からの天引きについては介護保険料と後期高齢者医療費の保険料がすでに実施されていますが、 とりわけ後期高齢者医療の保険料天引きについては世論の大きな反発があり4月末の衆議院山口補選では野党候補が大勝するという結果となりました。

また宙に浮いた年金問題についても未だ解決の糸口は見えず、あわせて社会保険庁の不祥事も相次ぎ、国民の年金に対する不信感・ 不安感は募るばかりです。こうした時期に区の固有の財源でもある住民税を年金から天引きするわけですから、 区長ご自身がこのことに関して区民にきちんと説明責任を果たすことが求められます。

そこで何点か質問いたします。

まず始めに(3)公的年金受給者における住民税課税対象者の徴収率について伺います。 滞納者が多いなどの実態があるのでしょうか?次に②我が区においては口座振替が可能であり希望者は一度手続きをすることにより、 それ以降は窓口にこなくてもよい制度に既になっていますが納税者側のメリット・自治体側のメリットについて改めてそれぞれお示し下さい。

後期高齢者医療の保険料の天引きについては世論の大きな反発もあり、6月の政府与党の決定で普通徴収かそれとも天引きかを当時者が選択できるようになりました。 これらを受けて、この夏我が区の国保年金課窓口には高齢者が殺到し、812日現在で普通徴収に切り替えた方が1500名、 口座振替に変更した方が1000名、 実に合計2500名にも上る高齢者の方々がその支払い方法を変更しています。 そうした現実を鑑みるならば(4) 今回の住民税の天引きについても当事者が選択できるよう同様の措置を取ることができないのか? 伺います。 次に高齢者の年金や税情報等の経由機関となる(5)「地方電子化協議会」についてですが、 どのような役割を果たすのか? その組織の概要について、また個人情報の保護対策についてもお聞かせ下さい。

最後に(6)住民税の年金天引きについては全国市長会からの強い要望を受けて法律改正が実現したと聞きますが、 成澤区長ご自身のこの問題に対するお考えを是非聞かせてください。

法律で決まったことではありますが、区長ご自身が区民に対して説明責任を果たすべきだと思います。 明快な答弁をお願いいたします。

私達はこれまでの経緯を考えるならば、少なくとも普通徴収か特別徴収(天引き) かまた口座振替かを当事者の意思により選択できるよう制度の見直しが必要であると思っています。そのような趣旨に基づき今定例会において 「公的年金からの住民税特別徴収制度の一部見直しを求める意見書案」を提出いたしました。 是非全会派一致で採択されるようお願い申し上げます

 

 

3.都市計画道路環状3号線について

  次に都市計画道路環状3号線について、 区長に伺います。

昭和21年に都市計画決定がされた環状3号線は、文京区においてはその実現性への疑問視や整備の困難さなどが、 長年に亘る文京区の都市計画道路推進にあたっての大きな課題となっています。文京区を東西真っ二つに横断し良好な住宅地を突き抜け、 道なき道を行く環状3号線の実現は絶対不可能だということを、私もこれまで何度も申し上げてきました。 また文京区議会においても議会の総意として昭和55年に都知事並びに建設大臣に「廃止を求める意見書」が、 また翌56年には区長から都知事あてに「実情と背景について考慮し再考を求める要望書」が提出されています。

計画の実現が困難なこともさることながら、現状計画線上の地権者等には権利の制限もかけられています。 また都心の渋滞緩和という観点からも再度検証が必要でありましょう。 まさに文京区民の生活や財産を守るという立場からも放置できない問題だと私は認識しています。 (7) まず始めにこの環状3号線の必要性の是非・また実現の可能性について、区長のお考えをお聞きしたいと思います。

長年整備が進まず、膠着状態が続いてきたこの計画ではありますが平成16年には「区部における都市計画道路の整備方針」の中で 「環状3号線文京区部については、道路線形、幅員、構造形式などについてあらためて計画の見直しを検討していく。」 と新たなる動きが見られました。以来4年の歳月が経過しましたが、 (8)ようやく今年度中には都と区の共同の検討会が設置されると聞きました。 検討会設置に当たっての文京区としての決意をお聞かせいただきたいと思います。

事務レベルでの検討会ではあるようですが、見直しに向けてはまさにラストチャンスです。

長年に亘る文京区政の課題に決着がつくかどうか、また関係住民の願いが届くか否かの瀬戸際交渉の始まりでもあります。 仮に廃止に追い込むことは難しいとしても、 道路の全面地中化を検討するなどコミュニティの分断や地域環境への影響が出ない整備手法が可能であれば、 ありとあらゆる選択肢を考えるべきだと思います。是非、大きな成果が出るよう積極的に臨んでいただきたいと要望します。

 

4.障害者の就労支援について

次に障害者の就労支援・とりわけ知的障害者の就労について何点か伺います。

2006年に施行された 「障害者雇用促進法」を機に障害者の雇用が進んでいます。2007年現在、 民間企業で働く障害者は30万人を数え、 企業の平均雇用率も1.55% まで向上したと報じられています。今や障害を持ちながらも夢や生きがいをもって働き、その報酬を得て自立をするということ。 またtaxpayerとなり社会の一員として立派にその責務を果たしていくことも可能となったこの現状を私たちはしっかりと胸に刻むとともに、 障害者の雇用がより促進されるよう環境整備の強化に努めていかなければなりません。

先月8月には厚生委員会のメンバーで世田谷区立知的障害者就労支援センター (すきっぷ)を視察してきました。センターでお話しを伺っていると、 研修を経て一般就労についた利用者の中には現在東京大学で教授の原稿の下書きをパソコンで入力する仕事や、 大手靴販売量販店の倉庫で在庫管理を任かされたり、六本木のコーヒーショップで接客をするなど、 社会の第一線でいきいきと働く障害者が徐々に増えていることを実感させられました。またそうした先輩達を憧れに、 「将来は自分も!!」と夢と希望を持って研修に励む利用者の姿も垣間見ることができました。当然、 そうした施設には企業からの求人も集まってくるようで、現場をこの目で実際に見てみると、 先駆的かつ意欲的に取り組んでいる自治体がやはり大きな成果や実績を挙げていることを思い知らされます。

我が区においても就労支援センターが昨年開設され、わずか1年間ではありますが、大きな成果を挙げているようで、 その実績については評価すべきものと思っています。 しかしながら今後より一層障害者の雇用を促進させると同時に継続的かつ安定的に優秀な人材を送り出していくためには取り組むべき課題もあるのではないでしょうか? そのことを踏まえて以下何点かについて伺います。

(9)まず始めに就労の需要についてお聞きします。「障害者雇用促進法」 に定めるところの法定雇用率適用対象となる企業は文京区に何社ほどあるのか?  (10)また障害者の就労状況についてはどうか?(身体・知的・精神の3障害別にお示し下さい。 )  (11)殊に知的障害者の就労については課題があるとも言われていますがいかがでしょうか?

また、願わくば文京区内の企業においては是非文京区の障害者を雇用してもらえるような、 日頃からのネットワーク作りが必要かとも思われますが、そうした(12) 企業と支援センターとの連携はどうなっているのかについても伺います。

次に雇用促進を図っていくためには、当然のことながら障害者自身のスキルアップが大きなテーマとなりますが、 (13) 就労に結びつけるための社会規範や技術習得のためのプログラムはどのように行われているかお聞きします。

この項目の最後に、(14)区内2箇所の福祉作業所について伺います。 障害者自立支援法では作業所などの施設について平成23年度までに、 就労移行支援型若しくは就労継続支援型などに移行していくことが義務付けられています。 他の自治体でもすでに移行が進められていますが、文京区ではどのように検討されているのか伺います。 知的障害者の中には一般就労を望む声がある一方で、 一般就労を諦め作業所の中で過ごして行きたいと願う障害者の方もおられるようです。 そうした意向に応えるべく、 作業所内でのパンの製造販売や家具の製造などモノ作りを中心に授産体制を強化している自治体も出てきました。 (15)作業所の転換に当たっては・就労移行と継続の両面をカバーしていく方向性を持って対応していくことが大切だと考えます。 またその際には、作業所内の授産体制を一層強化し、 工賃や報酬をしっかり得て親亡き後も地域で自立して生活していけるような仕組みを作っていくことがとても大切だと思いますが区長の見解を伺います。

障害者の雇用・就労に向けての実践は決して容易なことではなく、関係者の苦労や当事者の戸惑いは常につきまとうものでしょう。 また時には失敗や挫折ということも想定しなくてはなりません。しかしながらそうしたことを繰り返しつつも、支える側が根気強く・ 諦めないという姿勢を持って取り組んでいったとしたならば、長い年月を経る中で、 企業や地域の中でまた作業所内においても障害者がごく普通に、またごく当たり前に働き・ 自立をしていくという社会が実現するのだろうと思います。またそのための投資は決して無駄ではなく、 将来我が区にとっても有益なものとなって返ってくるものと信じてやみません。今後積極的に取り組まれることを要望いたします。

 

 

5.新潟県魚沼市との「協働」および湯之谷やまびこ荘の今後のあり方について。

成澤区長への質問の最後として新潟県魚沼市との協働および山村体験施設「湯之谷やまびこ荘」の今後のあり方について何点か伺います。

この夏、議会の有志で湯之谷やまびこ荘を視察してきました。あわせて、魚沼市長さんを始め市関係者や市議会議員の方々との意見交換も実現し、 とても有意義な訪問であったと思っています。湯之谷やまびこ荘は昭和57年開設、 以来多くの区民の山村体験の場としてその役割を担ってきました。 現在もこのやまびこ荘を拠点とした尾瀬へのハイキングや親子稲刈り体験など様々な事業も行われているようで子供たちの貴重な体験、 また自然を通して家族の絆を深めるといった意味でも成果を挙げていると思います。しかし一方では施設の老朽化や効率性の問題、 また利用者状況の変化なども顕著になっていることも事実です。そうした課題を見据えたうえで今後の方向性も定めていくべきと、 現地での視察を通じて感じたところです。(16) 区としては現状のやまびこ荘をどう評価されているかまずは率直にお聞きいたします。

次に魚沼市との今後の関係について伺います。ご承知の通り、新潟県魚沼市は平成16111日、 旧北魚沼郡堀之内町や小出町、湯之谷村など周辺6町村が合併し誕生しました。 総面積は新潟県の7.5% に及ぶまで拡大し、人口は約4万人となりました。 高齢化という課題はあるものの自治体としての基盤は当然のことながら旧湯之谷村時代に比べより強固になったものと思われます。 あわせて日本の米ブランドとしての魚沼のネームバリューは大変魅力的であり、 特色ある地方都市としてその将来性も十分に期待できるものと考えます。魚沼は自然豊かで、 市民も元気で明るく都会にはないアイデンティティを持っています。また米に象徴される「食」や「農」 という分野は文京区には全くないコンセプトです。 そうした視点から考えるならば(17) 今後の我が区と魚沼市との交流については新たな展開として、 例えば交流から協働へと新しい対等なパートナーシップを構築していくこともお互いにとって有益ではないかと考えますが区長の見解を伺います。

また魚沼市にも今後どのような関係を望まれるのか、是非あらためて意向を確かめてみることも必要だと思います。 従来通りやまびこ荘を拠点とした交流中心の関係が良いのか?若しくは、 お互いの足りないところを補完しあう事業提携や政策協定なども視野に入れた協働関係が良いのか?十分議論に値するテーマだと思います。

例えば(18) 教育の分野でいうならば山村体験をはじめ食育や農業などの協働が図れることにより新たなプログラムを作ることができたならば、 子供たちの移動教室や林間学校またセカンドスクールへといった方向性・ 可能性まで見えてくるものと思いますが是非これは教育長のご意見を伺いたいと思います。

人と四季が輝く雪の国「魚沼」、そのシンボルマークは稲穂のデザインに「支えあう」 というイメージがこめられているのだと現地でお聞きしました。まさに文京区との関係においてもフレンドシップ(友情)からパートナーシップ (協力)へと新たな展開を図ることが今後お互いにとって有意義だと思います。

 

 

6. 特別支援教育の実施状況について

最後に特別支援教育の実施状況について教育長に引き続き何点か伺います。

20074月に特別支援教育のための制度がスタートして以来1年半が経過しようとしています。 LDやADHD、高機能自閉症を含め特別な支援が必要な子供たちに対し、 その育ちや自立のために適切な支援を行っていくという制度の趣旨の通り、 特別支援教育の着実な取り組みは我が区にとっても大変重要な政策課題のひとつであると認識しています。

とりわけ教育現場においては支援される子供たちはいうまでもなく、 周囲の子供たちも安定した教育が受けられるよう環境整備を充実していくことは急務だと考えます。

我が文京区においては平成16年にバリアフリーパートナー事業がスタート、 今年度からは各学校に1名の支援員が配置されるなど取り組みを強化されていることについては率直に評価したいと思っていますが、 特別支援教育実施1年にあたりこれらの制度が実際に教育現場においてどのように機能しているか? また、今後の課題や展望についてもしっかり検証していくべきでありましょう。

 そこで何点か教育長にお伺いします。ます始めに(19)特別な支援を必要とする児童生徒を現状どう把握されているか? また今後対象となる子供たちの数をどう見込んでおられるかお聞きします。発達障害の発生率は6%という調査結果もあるようです。 だとするならば25人に1人つまりは1学級に1人は支援が必要な子供がいるのだということです。

学校はもとより教師ひとりひとりがより一層認識を深め、対処していくことが求められます。 と同時に教育委員会においてもそうした現場を支える仕組みづくりを一層強化していくべきだと思います。

次に特別支援教育の各学校における実施状況について伺います。 (20) 各学校内において指名された特別支援教育コーディネーターの役割また活動実績について具体的に伺います。 個別支援計画の策定や実施は円滑にいったでしょうか? また、21今年度配置された支援員制度ついて具体的な勤務状況とその成果についてお答えください。

最後にバリアフリーパートナー制度について伺います。

バリアフリーパートナーは特別支援教育を現場で支える貴重な人材であり、我が区でも誇れるべき制度であると思います。しかしながら、 現状においては人材の確保がたいへん困難なことや、研修の強化など制度としての再構築が必要であると思います。

そこで質問いたします。22人材の確保をはじめ、 待遇の問題や研修の必要性などについて課題をどう捉えておられるかお聞かせ下さい。

次にバリアフリーパートナーに関するシステム作りについてですが23 「人材の確保」については是非教育委員会の中に「人材バンク」的なものを構築していただきたいと思います。その際、 大学との連携や関係団体への協力要請も積極的に進めていただきたいと思います。また現場に出るまでの研修の実施、 そして各校への派遣に至るまでの一連の流れについても教育委員会が主体となって持続可能なシステムを構築し、 学校をサポートしていくという姿勢をより強固にして頂きたいと考えますがいかがでしょうか?教育長の答弁を求めます。

 私がお願いしたいのは今後必要となるであろうインフラ整備を今のうちからしっかりと構築して頂きたいということです。 これは文京区の子供達の人格形成と学力向上という大きな目的を達成するための前提の課題だと思います。 支援を必要とする子供達は当面は増えていくことが予想されます。支援を必要とするしないに関らず、 すべての子供達が同じ教室の中で等しく心豊かに学習に向かっていくことが出来るような環境づくりに、 まだ制度が始まって間もないこの時期ではありますが、しっかり取り組んでいってもらいたいと要望するものです。

 

 

以上で私の質問を終わらせて頂きます。

ご清聴ありがとうございました。

 

 

 

 

成澤区長答弁

 渡辺議員のご質問にお答えします。

 

 最初に財政運営に関するご質問にお答えします。

まず、この10年間の財政運営をどう振り返り、 評価しているかとのお尋ねですが、

 

 ご指摘の通り、平成12年度予算編成以来、 様々な努力を重ねた結果、特別区債残高は大幅に減る一方、基金は400億円台に回復するまでになるなど、 区財政の健全化が図られたと評価しているところであります。この10年間を振り返ると、 平成11年の 「行財政改革大綱」に始まり、13年からの 「行財政改革推進計画」と、耐えざる行革への取り組みが行われており、その大半を区議会議員として、 渡辺議員とともに議会の側から支援してまいりました。

その成果を引受け、今後の財政運営に最大限活かしていくことこそが、現在、財政運営の最高責任者である区長として、 私自身の責務であると認識しているところであります。

 

次に、今後の財政運営・区政運営に対する意気込みについてですが、平成21年度予算編成にあたっては、 私がマニフェストで区民にお約束した施策を中心に、重点施策として地球温暖化対策の強化につながる施策、 子育て支援施策や高齢者施策を取り上げるとともに、ファースト・ワン施策を掲げ、 先駆的な事業への取組を指示したところであります。

ご指摘の通り、ぜい肉を落とし、筋力をしっかり付けて、安定的かつ健全な財政基盤を確立しながら、 これらの施策を着実に推進してまいりたいと考えております。

 

次に個人住民税の公的年金からの特別徴収についてのご質問にお答えします。

まず、公的年金受給者における住民税の徴収率についてのお尋ねですが、平成19年度では99.8%となっており、 普通徴収全体の収納率よりも2.9ポイント高くなっております。

なお、本区における特別徴収の対象者は65歳以上の年金受給者の3割程度であると見込んでおります。

 

 次に納税者および自治体のそれぞれのメリットについてのお尋ねですが、この制度の導入により、 区民にとっては納税のために金融機関の窓口に出向く手間を省くことができる一方、本区にとっても高齢化の進展に伴い、 今後益々増加する公的年金受給者に対する徴収の効率化につながるものと考えております。

 

 次に、当事者の選択制が取れないのかとのお尋ねですが、公的年金からの特別徴収においては、本人の意思による選択制は認められておらず、 給与からの特別徴収と同様の取扱いとなっております。なお、所得税については従来より年金からの源泉徴収がなされておりますが、 これについても選択制は採られておりません。

 

 次に、本制度における地方電子化協議会の役割などについてのお尋ねですが、この協議会は、平成15年に地方税の電子化の推進等を目的として、 都道府県および政令指定都市により設立されており、会長・副会長は地方自治体の長が務め、 職員は主として地方自治体からの派遣職員によっております。公的年金からの特別徴収においては、 社会保険庁等の保険者と全国の地方自治体との間の特別徴収に関するデータの交換にあたっては、地方税ポータブルシステム、 いわゆるエルタックスを利用いたします。

 協議会では、セキュリティポリシーを定め、個人情報の不正アクセス、漏えいなどを防止するための厳重な措置を講じ、 適切な個人情報管理を実施しています。

 

 次に、本制度に対する私の見解についてのお尋ねですが、個人住民税の公的年金からの特別徴収については、 地方税法の改正に基づくものであり、その円滑な実施は自治体の長の責務です。なお、お尋ねの趣旨は私も理解できるところではありますが、 制度の是非につきましては、国政の場で議論されるべきものと考えております。

 

 次に都市計画道路 環状3号線についてのご質問にお答えします。

環状3号線の必要性については、 平成16年に都と特別区で策定した 「区部における都市計画道路の整備方針」において、検証を行い、必要であると判断されております。

 しかしながら、現行計画のままで整備することはご指摘の通り本区にとって極めて大きな影響があることから、そのことを強く主張した結果、 都市計画道路整備の実現に向けて道路の線形、幅員、構造形式など、都市計画の見直しの対象とされたものであります。

 今後の実現性については、本年5月に都と関係区により設置された 「環状3号線及び日暮里・ 谷中地区都市計画道路に関する都区検討会」において検討が始まるものと考えておりますが、今後とも本区の考えを十分に説明し、 区民に理解していただけるような方向性が得られるよう、都と引き続き協議をしてまいります。

 

 次に障害者の就労支援についてのいくつかのご質問にお答えします。まず、本区における法定雇用率適用対象企業数についてのお尋ねですが、 常用雇用者が56人以上の企業が法定雇用率適用対象企業であり、 平成19年度の事業所統計によると本区における50人以上の事業所数は、 全産業で663か所ですので、 法定雇用率適用対象企業は600社程度ではないかと推測しております。

 

 次に本区での3障害別の障害者の就労状況および、 知的障害者の就労における課題についてのお尋ねですが、

 

 飯田橋公共職業安定所では、本区だけの法定雇用率等の数値は算出していないため、千代田区・中央区を含めた所管内の数値となりますが、 平成19年度の管内雇用率は、 1.48%

雇用障害者数は身体障害者が35,246人、 知的障害者が3,457人、 精神障害者が207人となっております。

 知的障害者の就労における課題については、業務の習熟に時間を必要とすることや職場での人間関係など、様々な課題があります。

 それらの課題に対応するため、就労支援センター職員を現場対応のために事業所等に派遣し、企業・障害者への支援を実施しているところです。

 

 次に、就労支援センターと企業との連携についてのお尋ねですが、

 

 現在、区および飯田橋公共職業安定所や文京区商店街連合会、商工会議所などで構成する地域雇用問題連絡会議を設置し、 情報交換を図っているところです。今後はこの連絡会議を活用し、これまで以上に連携を深め、障害者の雇用促進に努めてまいります。

 

 次に、障害者への就労準備訓練についてのお尋ねですが、

 

 就労支援センターが中心となって、障害者の方のニーズをお聞きし、東京障害者職業センターでの訓練や、 飯田橋公共職業安定所を窓口とした企業での委託訓練を行っております。また中長期間の訓練が必要な方へは、区内の福祉施設等において、 職業能力の向上やビジネスマナーの習得等の支援をしております。

 また、就労直前の障害者に対しては、就労支援センターでの模擬面接訓練や履歴書・職歴書の記入、 必要に応じたパソコンの基礎的訓練等の支援を実施しているところです。

 

 次に福祉作業所の障害者自立支援法上の新体系施設の移行等についてのお尋ねですが、

 

 現在、障害者自立支援法の抜本見直しが国において進められております。この動向を注視し、法の見直しの内容等を踏まえ、 新体系移行後の工賃増加が見込める作業内容や、授産体制の強化等について検討を行ってまいります。

 

 最後に、魚沼市との「協働」および湯之谷やまびこ荘についてのご質問にお答えします。

湯之谷やまびこ荘は、旧湯之谷村との共同実施により、国の「山村地域若者定住環境整備モデル事業」の一環として開設して以来、 多くの区民にご利用頂いてまいりました。

また、区が主催する交流事業につきましても、参加された皆様から一定の評価を得てきました。しかしながら、 近年は交流事業への参加者が減少するなど見直しが必要となっております。

 一方、平成19年から受託業者が主催して始めた、 田植え、稲刈り体験などの農業・山村体験事業は常に多くの応募があり、区民の高い関心を示しております。

今後は区の主催事業をこうした事業に移行し拡充するとともに、本区と魚沼市が協働した新たな事業展開についても、その可能性を検討し、 区民と市民の交流をより一層深めてまいりたいと考えております。

 また、魚沼市の誕生以来、魚沼市民のやまびこ荘利用率が文京区民の利用率を上回っていることや、 施設の老朽化などの課題も生じていることから、今後は、やまびこ荘のあり方や運営の方法等についても検討してまいりたいと考えております。

 

 

 

根岸教育長答弁

 教育に関するご質問にお答えします。

 

 はじめに魚沼市との「協働」に関し、食育や農業など、教育分野において、新たな方向性・可能性が見えてくるのではないかとのお尋ねですが、

 

 本年3月に告示された新学習指導要領には、 自然体験活動などの豊かな体験を通して児童・生徒の内面を育てることが示されており、 国としても長期宿泊体験プログラムが可能なモデル地域を指定し、受け入れ体制や体験メニューを整備しております。

 現在、教育委員会において、新学習指導要領の全面実施に向けた様々な課題について検討しているところですが、本年度、 小学校1校をモニター校として、 農村における民拍、自然体験活動を行う予定でおり、今後、 その成果と課題を整理しながら山村体験をはじめ食育や農業との連携を取り入れた宿泊体験学習のあり方を検討していくこととしておりますので、 その成果を踏まえた上で魚沼市との協働関係につきましては、検討してまいりたいと存じます。

 

 次に、特別な支援を必要とする児童・生徒をどのように把握しているのかとのお尋ねですが、

 

 平成19年度より、 各学校が特別な支援の必要な児童・生徒について保護者の協力を得ながら「個別の教育支援計画」を作成しており、 教育委員会はこの計画により、特別な支援が必要な児童・生徒の人数や状況について把握をしております。今後対象となる児童・ 生徒につきましては、増加の傾向にあると考えております。

 

 次に、特別支援コーディネーターに関するお尋ねですが、

 

 特別支援コーディネーターは、各学校における特別支援教育推進のために、主に、校内委員会・校内研修の企画・運営、 関係諸機関等との連絡調整、保護者からの相談窓口などの役割を担っております。

 

 そうした中で、現在、「個別の教育支援計画」の策定状況は、特別支援学級では100%

通常学級においては2%程度となっておりますが、 保護者への丁寧な説明を続けながら、暫時策定を進めているところでございます。

 

 また、今年度全小中学校へ1名づつ配置いたしました特別支援教育支援員ですが、 週30時間の勤務によって、 毎日の授業だけでなく、校外学習等への付き添いなども行っております。学校に常に同じ支援員がいることで、児童・ 生徒をよく理解した質の高い支援が可能となり、学校、保護者の反応からも、 支援員導入に対しては大きな成果があがっていると考えております。

 

 最後にバリアフリーパートナー制度についてのお尋ねですが、

 

 学校現場の多様なニーズに対応できるシステムの構築が最重要課題であると認識しております。教育委員会としても、 定期的に区報やホームページなどで募集を行い、 いわゆる人材バンクとしてのバリアフリーパートナーの登録者は約100名となっております。

 しかしながら、夏の水泳指導の時期などでは学校のニーズに応じ切れない状況もあります。待遇の面でも、 謝礼等を平成17年度から、 給食支援、プール加算をするなど充実をさせてまいりましたが、今後はさらなる待遇の改善を検討する必要があると考えています。

また、質の向上の点からは、教育委員会とNPO法人共同で年2回程度の研修を実施しておりますが、 今後も、質の高いバリアフリーパートナー確保のために、広く連携先を探り、 よりよいシステム構築と制度の充実に向け努めてまいります。