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2002年05月20日

アスベスト検討委員会中間報告

 平成11年7月に始まった文京区立さしがや保育園の改修工事で、施工業者の過失によりアスベスト (人体に有害な影響を及ぼす化学物質)が飛散、園児がそれらをばく露したという事故について、当時議会でも大きな問題となりました・・・。
 園児の健康面での不安をつのらせた保護者の強い要請を受けて、文京区では 「文京区立さしがや保育園アスベストばく露による健康対策検討委員会」が設置をされ調査が進められてきました。その「中間のまとめ」が本日、 厚生委員会で報告されました。焦点は園児たちがいったいどれだけのアスベストをばく露し、 それらが将来に渡ってどれほど人体に影響するかと言う点。
 検討委員会は京都大学の内山巌雄教授を委員長とし、専門的な知識を有する方々を中心として様々な視点から調査・ リスク評価をし約3年近くの年月を経て中間報告に至ったわけです。
 どうして3年もかかったかか?と疑問に思うかもしれませんが、今日の報告を受け「なるほど時間がかかるのも無理はない・・・。」 との印象を率直に受けました。
調査の段階では、当時の現場での状況を再現しあらゆる角度からシュミレーションが行われています。園児がその時どこにいたか、 どれくらいの時間アスベストのばく露を受けたか、換気の状態はどうっだたか、その時の個別の園児の健康状態間までも加味し、 ばく露量の推計が行われたこと。保護者をはじめ多くの関係者からヒアリングを続け歳月をかけ「限りなく事実に近い園児のばく露量」 を推計してきたことなど、委員会の委員また関係者の協力と熱意に感謝したいと思っています。
結果として、園児のばく露量については「リスクレベルは今回のアスベストばく露によって、10万人あたり最大で6.3人の肺がん・ 中皮腫の発生が推定されるレベル。」との報告でした。委員会としては対策が必要な基準値を10万人に1人が発生するレベルと想定をしており、 この数値を受けて「ある程度の生涯的なフォローが必要。」と結論づけています。
 検討委員会では「今後の対策」について引き続いて検討を進めるとのことです。
議会としても当面はその結果を受けてどう対処していくか?ということになるでしょう。いずれにしても数字(数値) の空論にならぬよう現実的な対応をしていくべきものと考えます。

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